DOOR Lounge始まりの裏側
2023年2月からオープンしたDOOR Lounge。 DOORでは数年ぶりのバー営業ですが、以前とは異なった運営をしています。今回はそんなDOOR Loungeの裏側を伺いました。
DOOR Loungeの始まり
ーーDOOR Loungeを始めようと思ったきっかけを教えてください。
東良:去年の半ばごろから、康太さんや清人さんとの間で話は出ていたんです。SASIって定期的に集まって何かをすることがないなと思っていて。あるとしたら、歓送迎会とか、年末とかクリスマスといった行事だけなので、みんなが話す時間が意外とないよなって。それならDOORのスペースで、みんなが話せる場があったらいいなって考え出したのが始まりです。でもSASIでよくある「誰がやる問題」が発生して(笑)
ーーそれはSASIあるあるですね…(笑)
それで半年くらいどうしようかってなっていたんですけど、僕が去年末くらいに自分の会社についていろいろ考えていた時期でもあったので、自分の会社として運営を引き受けることにしました。それで始まったという感じですね。
あと、元々SASIでDOORの利益計算、集客、改善点などの上段の話をやっていたのでイメージができていたのと、前職の経験もあるので、ノンストレスでできるだろうなと思ったのは大きかったですね。
ーーそのような経緯だったのですね。DOOR Loungeという名前にしたのには理由があるんですか?
東良:バーでお酒を提供する人って、「バーテンダー」って言うじゃないですか。バーっていう言葉には、宿り木っていう意味があって、テンダーは優しいっていう意味があるんですね。なので、人が疲れた時に宿り木として入れる場所っていうのが、バーテンダーっていう言葉の意味なんです。特にバーってバーカウンターがその象徴で…DOORにはバーカウンターがないから、バーではなくて、ラウンジが1番近いのかなと思って、DOORLoungeという名前にしました。
ーーなるほど。コンセプトって前から考えていたのですか?
東良:全然考えていなかったです。最初は、ただただ僕がバーの好きなところをできるだけDOORに落とし込んで、やっていきたいなと思っていて。でも、今の営業時間(18:00-21:00)ってバー利用のお客さんは来ないんですよ。バーって2軒目で利用するものだし。となると、コンセプトをどこかに寄せていく必要があるなって思っています。まだ考えている最中ですけどね。
誰もがゆっくりできる空間を目指して
ーーどのような人に来ていただきたいですか?
東良:「ゆっくりしたい人」ですね。宝塚って賑やかなショットバーが多いんですよ。そういうイメージではないんです。DOORの設計も、真ん中の大テーブルはセッションをするように設けていると思うんですけど、カウンターはキッチンの中を楽しむ設計になっていると思うし、窓側のカウンターは外の景色を楽しめるようになっていると思うし…なのでその空間と時間でゆっくりしたい人に来ていただきたいですね。前にDOORでバー営業をやっていた時は、カフェ利用している方がそのままバーも利用してくださることが多かったので、そういう流れが理想的なのかなと思います。
ーー会社を経営されている方だったり、起業を考えているの人がターゲットなのかと思っていました。
東良:次の展開としてそういうパターンも考えているけど、経営者クラブみたいなものがあまり好きではなくて。入りにくさが出てしまうので。
僕がバーを好きになったのは、学生時代にシンプルにかっこいいなって思ったのがきっかけなんです。それでよく行くようになったんですけど、バーって1人で来るお客さんがたくさんいるんですね。みなさん疲れていて、表情には出さないけど、何かを解消して帰っていくのを見ていたんです。自分自身もそういう使い方をしていたので、そういう空間になったらいいなと思っています。
ーーDOORラウンジのプレオープンはいかがでしたか?
東良:SASI関連の人が来てくれて、飲み食べしてくれてよかったなと思いますね。本当はもっとゆったりする空間でいいと思ってるんですけど。SASIの人って集まったらセッションが始まるから、みんなゆっくりできてるかなって思ってます(笑)
ーーそうですね(笑)Loungeのこだわりはなんですか?
東良:良いものを置いているということですかね…
週1回しか営業しないこともあって、フードは乾物系が多くなるんですけど、絶対においしいしか置いていないですね。あとは、当日に仕込んで提供できるフードも1種類だけ作っています。
あとは…「これ作って!」「こんな感じのものが飲みたい!」って言われたら、大体は作れるので、そういうのもオッケーです。メニュー表のお酒の表記を、種類だけで記載しているのはそういう意味もあります。
今後の展開
ーー長期的にみて、やっていきたいことはありますか?
東良:人のお店だったらいくらでもアドバイスできるんですけど…(笑)自分のことになると本当に難しくて。都内の方だと、キャリアコンサルタントが運営しているバーとかがあるんですね。相談したい人ってたくさんいるから話をしにバーにくる、っていうのは自分にもできるんだろうなって思っています。でも、キャリアコンサルタントが〜って言い切ってしまうと、その色が濃すぎるなと思っていて。そこを決めないとダメだなと思っています。
相談しにくる人も、仕事終わりにゆっくりしに来る人もいる、という状態がベストですね。
僕が思う良いバーって、何年ぶりに行っても絶対に顔を覚えてくれているんです。それで「〇〇さんお久しぶりです!」って絶対に言わないんですよ。その空間は時間が経っていなくて、自分を当たり前のように迎えてくれるっていうのがとてもホッとするんですよね。アンティークに近いのかな。そういう感覚を大事にしたいですね。
ーーお客様に伝えたいことはありますか?
東良:一般的に、バーのドアって入りにくいと思うんです。あれって設計上わざとそうしているんですよ。昔の話ですけど、アメリカで禁酒法が出た時に、カクテルって誕生したんですね。強いビールやワイン以外のお酒、当時医療用に使われてたりもしていたようなお酒を、ジュースで割ってバレないようにしていて。なので、どうみても入りにくい、酒場ではないようなドアを開けるとそこにはバーがあったっていうのが元々の起源なんです。その入りにくいドアっていう名残が残っているんですけど、そこを開くと、自分のための空間が広がっているっていうのが好きなんです。
そこに近いものをDOORにも感じていて。入りにくいとは思うけど、ドアを開くと自分の場所になる空間なので、ぜひ来ていただきたいです。