ものづくりの根源と余白時間の心地よさ | DOOR-MAGAZINE ものづくりの根源と余白時間の心地よさ | DOOR-MAGAZINE

ものづくりの根源と余白時間の心地よさ

 

DOORでは個人の”アイデンティティ”をとても大切にする文化があります。「個を深く知るためのワークショップ」は、あの人の知らなかった一面や隠された本質を掘り出していこうという企画です。堅苦しいのは苦手なのであくまでゆる〜く、カジュアルな雰囲気を目指します。

この記事に登場する人

中町勇輝

京都造形芸術大学を卒業後、新卒で株式会社SASIに入社。Webデザイン・グラフィックデザインを軸に活動している。

難しい(笑)

(笑)でもデザインはできるじゃないですか?

あっそういう、超雑多な感じで良いんですか?

そうですね!仕事でもプライベートでも。最近のことでも昔のことでもいいし…。

…これ無言で書いていくんですか?(笑)

いや!喋りながらで良いです(笑)

浅いかもしれないですけどパッと思いつくの書いていきますね。
最近…それこそ一昨日から海里さんと和也さんと僕でキャンプ行ってたんですよ。
三重県の山奥にキャンプ兼サウナで行ったんですけど、そこが良い感じで…テントサウナっていう屋外で入るところがあって、あと山奥だから滝があって水風呂の代わりに滝に入るっていう野生的な(笑)

やば…(笑)

超自然でしたね。辛いけど楽しいみたいな(笑)日常生活を過ごしてると、あんな追い込まれ方しないから新鮮でしたけどね。

確かに…非日常的な?

非日常でした。面白かったです!

なるほど…それじゃあそれも書いときましょうか!

確かに!そうですね。

瞬間的なドキドキと根底的な楽しさ

仕事に「ドキドキ・スリルが足りない」っていうのはどういうことですか?(笑)

尋問されてるみたいですね(笑)
でも仕事にドキドキ・スリルが足りないっていうのは、例えば部活とか運動だと競技中にアドレナリンが出てるとか呼吸の乱れが荒くなるとかの影響もあるんでしょうけど、この90分内とかこの1ゲーム内で自分が3年間やってきた積み重ねが崩れるかまだ続くかっていうのもあって。

そういえばサッカーされてましたよね?

はい。僕の場合12年間サッカーやってきたから、それがどこで終わるんだろうかという気持ちと最後戦うことになるんですよ。そうなってくると高校生の時の12年間って結構大きくて物心ついた時からだとほぼ人生みたいな。そういう意味ではすごいスリルやったなと思うんですけど、逆に仕事ってなると失敗するかも、うまくいかないかものスリルはあるんですけど、それこそ失敗してもう一回それを巻き返すようなことってできるじゃないですか。そういうところと比べるとアドレナリンっていう意味でのスリルは減りましたね。もちろん手を抜いているわけじゃないですけどね。仕事は継続してどれだけ成果を残せるかが大事な気がするんですけど、運動は1分1秒先で決まるからそことは違うなっていうのはありますね。

なるほど…でもそこでサッカーを辞めて、それこそ美大に行かれたじゃないですか?そっちのこう、スリルがある方の道とかじゃなくてデザインに興味があったんですか?

デザインっていう枠はその時全然知らなくて、それこそものを作るのが好き、絵を描くのに興味があったぐらいで大学に入ったんですけど、その時に違和感があるのはありました。息が切れるような勝負事もないし、あとは数字で分からない世界だったりするじゃないですか。

そうですよね、だから全く逆やなと思って…

そうそう。パキッと分かれることもないし…デザインだけのことじゃないですけどお互いを肯定し合って良くしようって感じじゃないですか。けど運動って勝つか負けるかの勝負がほとんどだから、そことも全然違うし…確かに今思ったら何で惹かれたんやろうっていう感覚はあるんですけど(笑)でもそれでいうと、そもそも僕がものを作ることが好きとか、ものを作って褒められるのが好きとかは実はサッカーを始める前からあって、サッカーの勝つか負けるかのドキドキ感っていうのは、色々考えてるとものを作る楽しさの後に付け加えられた感じですね。

なるほど、サッカーを始める前から自分の中にあったのがものづくりへの楽しみだったということですね。

そうそう。だからものづくりってあんまり言わないですけど、泥団子作ったり好きでしたで小っちゃい頃は。手で触って手の感触で何か作るとかそういう楽しさの方が現体験的には最初にきてたから。

先に根底にあったのはそっちだったってことですね。

そうですね!ものづくりの方が先にきててその上にスポーツのドキドキ感・スリルなんかがきてて、その後に原点回帰したって感じですね。

高校生の時に進路を選ぶ時もそんな感覚があって選ばれたんですか?

そこまでちゃんと分析はできなかったですけど、自分がサッカーを続けたいとも思わなかったし、ものを作る何かにはなりたいと思ってたしなるんやろやくらいの感じで思ってましたね。

普通の大学に進学して…といったビジョンは見えなかった?

そうですね。そっちを選び取ってた気がします。

なるほど…それじゃあ高校では特別何か作ったりとかはされてなかったんですか?

高校も普通科でしたし美術も力入れてるかっていうとそうでもなかったです。

じゃあ進路を決めるってなったときに、自分はこっちだろうなってなったんですね。

そうですね!

余白時間とデザイナーあるある

すごく今の仕事に繋がるいい話が聞けた気がします…!ありがとうございます。こっちも気になりますね。(予定を立てずにふらっと好きなものを見つける)

これと「非日常」っていうのはどっちも近い気がしますね。ちなみにありささんって予定立てて行動する人ですか?

旅行は何か目的にくっつけてじゃないと行かないですね…一つメインの予定、何か食べにいくとかコンサートに行くとかが入ってて、それにくっつけて旅行があるって感じですね。なので空いてるこの時間は何するって結構予定立てます。ゆうきさんはそういう感じではないですか?

もちろん予定を立てるときもあるんですけど、基本的には何事においても最終の目標だけ決まっておけばその道中やほかの時間は自由にしたいタイプなんですよ。だからスケジュール決まっていくのって実はストレスなんですよね。余白の時間がないのが締め付けられてるって感じです。清人さん(代表)のスケジュール感とか真似したくないですね(笑)

確かに…(苦笑)それは仕事もプライベートもってことですか?

そうですね、仕事の方は仕事だからって割り切れるんですけどプライベートの方がそれが顕著で。それこそ散歩するとかもそうなんですけど、散歩してゴールまでは決めるんですけどその道中とかって行き方によって見つけるもの変わるなって思って、それこそ毎日通っていた大学も道を変えるとかあったし寄り道とかも好きやったし、そういう移動の時間とか余白の時間を取るようにはしてるんですよ。

へぇ〜〜すごいですね(通学路同じだった人)

プライベートの時はシンプルに気持ちがいいからそうしてたんですけど、制作だと手を動かしてる時にアイデアが浮かぶことって少なくて、一旦持ち帰ってそういう余白の時間に考えつくとか、考えてきたことをアウトプットの時に一気に形にするとか結構多くて、日常的に余白がないとふんわり頭の裏で考えてるような作業ができないなっていうのがあるから、仕事ってなると予定を詰め込みすぎずに余白の時間を作って裏で考えるっていうのは多いです。

でもその持ち帰るのめっちゃわかります!(笑)
それだけ考えてても絶対出ないじゃないですか。

そうですね(笑)

ワーク・アズ・ライフの心地良さ

ちなみにこれって近場だけじゃなく遠くとかも行かれるんですか?

それでいうとふらふらしたいだけだから基本的には何も考えず歩ける街の方が安心できて、ほぼ体に染み込んでいるくらい覚えている道を通ることが多いです。

あっなるほど。新しいところとか全然違うとことかは行かずに?

そうそう、なんかね新しいとこ行くと新しいもの見つけたいっていう気持ちになって。でもそれで言うと2種類あって、新しいところに行きたいから何か目的をたててそこに向かってその道中で新しいものを探しながら動くっていうパターンもあって、もう一個はほんとにフラフラしたいだけやから知ってる道を永遠と回るみたいな2種類あります。

知らないところに行くと意識的に何か探してしまうということですね。

そう、無意識にでも見たくなるからそっちに意識が向いちゃって。

結局疲れちゃうってことですね。

そうそう。何かアイデアは外から刺激されて湧いてくるんですけど、逆に新しい場所ばっかり行きすぎたら振り返って整理したい時とかはちょっと不向きで、だからこそ知ってる場所を何も考えずにふらふらするっていうのは使い分けてるかもしれません。

知ってる場所だと確かに何も考えずに歩けますね。

歩きながら考えるとか、そういうことが多いですね。真面目に考えるというよりかは、これどうしようかな〜くらいぼんやりしてます。

でもそういう時の方がまとまりやすいですか?

まとまりやすいですし、視野がちょうどよくなる感覚はあります。机に向かって考えていると、考えな考えなと思ってすごい狭まってきて、何かこの枠じゃない枠に捉えられている感じがあるんですよ。

なるほど。でも聞いていると、このキーワードもプライベートに置いたけど仕事と両方かかってくるみたいなイメージですかね?

そう。だからそれで言うとワーク・アズ・ライフ、仕事とプライベート両方がグラデーションみたいに繋がってるのが個人的に心地よくて、逆に仕事とプライベートのオンオフをしっかり分けてる人はもちろんそれはそれでいいと思うんですけど、僕の場合はそれだとプライベートの時間に一瞬でも仕事のことが入るとストレスに感じるタイプなんで、あえて分けずに生活の一部くらいに捉えようと思っていて、それが今のところは一番心地良いです。

区切りをつけずぼんやりとってことですね。じゃあこっちのプライベートに括ってる方のキーワードも、分けてはいるけどそんなにはっきりと区切りはしてないって感じですね。

そうです、それこそ読書っていう項目は、クライアントに活かせそうな、何回か言葉遊びをしたら巡り巡ってクライアントに活かせそうだなっていう読書が多くて、それこそ食にまつわる話とか、小さな会社が日本や世界を横断するようなヒット商品を作りましたっていう話も興味持ってますし、デザインと最終的に連結するけどデザインではないから一応プライベートかなというくらいの。デザインの本を読むと仕事してるって感じになるので。

なんだかすごくいいですね!意識的にではないにしても色んなところから無意識に知見を取り込んでいるから、それが全部仕事にもアウトプットされるし仕事とプライベート行き来してるからすごく良い感じのバランスだと思いました。

そうですね、それが今のところ心地良いなとは まぁ釣りとか全く活かせないですけどね(笑)

まぁまぁ、いつか活かせられるかもくらいで(笑)

でもそう考えると散歩とか読書とかは結構横断するかもしれないですね。基本プライベートの時間にしかやらないんですけど、効果とか何を考えているかで言うと結構横断してるかも。