グルテンフリーのガトーショコラ 開発に込めた思いとは? | DOOR-MAGAZINE グルテンフリーのガトーショコラ 開発に込めた思いとは? | DOOR-MAGAZINE

グルテンフリーのガトーショコラ 開発に込めた思いとは?

Bookcafe doorのスイーツの定番でもあるガトーショコラ。実はこちら、ちょっと珍しい「グルテンフリー」のガトーショコラになっています。何度も試行錯誤を重ねて、グルテンフリーとは思えないしっとりとした満足感のある食感を実現しました。チョコレート好きの方にも喜んでいただける仕上がりになっています。 今回はそんなガトーショコラの開発の裏側を、当時のスイーツ担当である荻生こころさんに教えていただきました。

グルテンフリーでもしっとり食感、開発の背景

ーーDOORのガトーショコラは、グルテンフリーと言われるまで分からないくらい、しっとりとしていて美味しいですよね!グルテンフリーはパサパサしているというイメージがあったんですけど、この食感を実現するのはかなり苦労したんじゃないかなと思うんですが、実際どうでしたか?

荻生:私も米粉は結構パサつくイメージがあって…今まで自分が作ってたのは全部小麦のものだったのですが、急に(アレルギーで)食べれなくなって作り始めました。何回かお店でも作ってみて、やっぱりパサつくなという感じになってたんですけど、置いて寝かしてみたり一回冷凍してみたりしたら次第に改善されていきました。

ーーなるほど…やはり最初作った時はパサパサしてたり、食感的にあまり美味しいと思える感じではなかったんですね。そこから工夫を重ねて段々とアップデートしていったんですね。

荻生:そうですね、そんな感じです!

ーーそれでは、その実際に作る過程で一番大変だったなと思うところはどこでしたか?

荻生:最初は冷蔵庫で保管していたんですけどパサパサした食感が変わらなくて…時間が経てば経つほどそれが酷くなってお店で出せないなってなりました。それで一度試しに冷凍してみようって話になり冷凍したら、思ってたよりもこれ…良くない?ってなって(笑)

ーー(笑)やはりパサパサした食感が難点だったんですね。保存も兼ねて一度冷凍してみようかなと試してみたら、結果的には良い食感になったということですね。

突然の小麦粉アレルギーの発症

ー先程小麦粉が食べれなくなったと話がありましたが、それまでは普通の小麦粉入りのチーズケーキなども作られてましたよね。グルテンフリーのものを作り始めたのってどのくらい前からだったんでしょうか?

荻生:昨年の5月に明確に自分の体調が悪くなって、実験的に2週間小麦粉を抜いてみたら体調が戻ったということがありました。その後一度たこ焼きを大量に食べた日があったんですけど、次の日にやっぱりすごい体調が悪くなって小麦粉がダメなんだと気付きました。今まで作っていたクッキーとかを作ってみても米粉だと全然うまくできなくて。

ーー小麦粉アレルギーを自覚した昨年5月頃から色々と米粉で作ってみていたということなんですね。

荻生:そうですね、一度色々作ってみました!家でスコーンを焼いてみたりとか。でもどれも全然ダメで…

ーーそうなんですね…一番の難関は水分量といったところなんでしょうか?

荻生:水分量は小麦粉と同じ量でやっても絶対うまくいかなくて、しかも小麦粉の美味しさを知ってしまっているからパサパサがちょっと…ってなりました。意外と焼菓子の方が分かんないんですよ。クッキーは分かりやすくてケーキとかはいけるなって。水分量はそのままで粉の配分をちょっとずつ減らしながら調節したりして試していきます。本当はチーズケーキもグルテンフリーにできるんですけど、一気にメニューを全部グルテンフリーにしてもなという気持ちで、今はガトーショコラだけ出してます。小さいものから徐々に増やしていきたいなって気持ちは自分の中にあります(笑)

ーーなるほど!小さなもので言うと例えばクッキーとかからですかね?

荻生:クッキーもですがレモンケーキとかしたいですね!常時あるメニューではないかもしれないですけど、作った日から例えば3日限定とかでやりたいなって。

ーーいいですね!これまで商品の施策を重ねてき他ことを活かして、新しいメニューを作っていきたいということですね。

グルテンフリー初商品、なぜガトーショコラ?

ーーそもそもの話なんですが、なぜメニューをガトーショコラにしようと思ったんでしょうか?米粉を使うのに合ってるから作ろうってなったのか、それともガトーショコラを作りたいと思って作ったのかどちらだったんでしょうか?

荻生:後者です!結構前からチョコレート系の焼き菓子をやろうっていうのは決まってました。ザッハトルテの案も出たんですけどガトーショコラにしようっていうのは結果的に決まって、ただその話がちょっと流れてしまったんです。自分が小麦粉がダメになったのがきっかけで新しくメニューを増やそうってなった時にその話を思い出して、一回食べてみてもらっていいですか?って作って洋平さん(当時の宝塚店店長)に持っていきました。

ーーそれで、「いいやん、いこう!」ってなったということですね(笑)

荻生:そうですね(笑)GO!が出ました(笑)

まだまだ少ないグルテンフリー商品

ーー急に小麦粉アレルギーになったということですが、グルテンフリーの商品ってまだあまり見かけないなって思うんですね。

荻生:ないですね…

ーーそんな中でどうやってレシピを作り出したのかなってすごく気になります。

荻生:元々本当にパンが好きで、人生の中で他の人よりも多くパンを食べてきていると思うんです。それぐらい食べてたのが急にダメになって、何とかできへんかなって「関西 グルテンフリー パン」とかで調べてみたりしたんですけど、やっぱりあんまりなくて…米粉パンで出されてるものでも、7:3くらいで配合されているのも米粉パンで出されてて。

ーー確かにそうですね!

荻生:食べれるけどうーん…っていうのがあって。だから余計に自分で作るか!ってなったんですけどまだ失敗だらけです。

ーー小麦粉がダメってなると、パンの他にもパスタとか麺類とかも全部ダメになってくるのはきついですね…。

荻生:パスタは意外と、とうもろこし粉やえんどう豆とか売られてるんですよ。あとお好み焼きやたこ焼きの粉物系は全部代用できて味も一緒で感動しました。ただ外食で食べられる物が限られていて、頼めるメニューがほぼないっていうこともあります。

ーーそういった自分の経験も踏まえて、グルテンフリーのメニューがあったらいいなという想いから商品を開発されたわけですね。

荻生:そうですね、そういった気持ちがあります。

いろんな人に味わってもらいたいガトーショコラ

ーー最後に今回のグルテンフリーのガトーショコラについて、こういうところがおすすめ、こういう人に食べてもらいたいという気持ちがあれば教えてください!

荻生:小麦粉アレルギーの人はもちろん、最近は健康のためにグルテンフリーを選ばれている方もいらっしゃって、そういう方にもおすすめです!食べた時に気付かないくらい違いはないですし、小麦よりも米粉の方が身体に分解もされやすいらしいので、グルテンフリーをされてない方でも興味を持って食べていただきたいです。そうするとまた新しいグルテンフリーメニューの開発にも繋がるかなと思います。

ーーこれからグルテンフリーのメニューを増やしていくためにも、一度注文して色んな人に食べてもらいたいですね!ぜひ店舗にて、そのしっとり食感を味わってみてください。

この記事で紹介されたもの

ガトーショコラ

チョコレートをたっぷり使ったクラシックな焼き菓子。
小麦粉は不使用のグルテンフリーなので体にも優しい。