経験と熟考から得た、自分の「得意」を活かしていく
DOORでは個人の”アイデンティティ”をとても大切にする文化があります。「個を深く知るためのワークショップ」は、あの人の知らなかった一面や隠された本質を掘り出していこうという企画です。堅苦しいのは苦手なのであくまでゆる〜く、カジュアルな雰囲気を目指します。
この記事に登場する人
二村 康太
webを起点にしたブランド支援を得意とする。 現在は独立起業し、「経営のための創造社」「株式会社ラム」という二つのプロデューサー企業を経営。受託でのブランディング支援業務と自社IP事業の2軸で展開中。SASIには2021年より参画している。
結構むずいね、趣味っぽいことが少ないな。
あー確かに…仕事が多いですね。今までの人はプライベート8仕事2くらいの割合だったので。
そういえば最近tiktokやった方がいいよってコンサルの人に言われて。それで色々話してて、「なぜこれはこうなんだろう?」って思ったことをあげていこうってなって。例えば傘って昔から一向に進化してないじゃん。ずーっとあの形で畳み方で、雨降るとスーパー行ってビニール付けるのとかダルいのに進化してないの変じゃない?
そこまでじゃないですけど、傘は確かに思ったことありますね。機能性的を考えたらあの形がベストなんかな?って。
そういうのを投げかけたら、専門家の人が急に答えてくるみたいなことがあるかもしれないから、ちょっとやってみようと思って。経営者でも結構やってる人いますよって言われて、そういうのあるらしいよ。
まぁでも今使ってる人多いですもんね。他はどうですか?
なんか仕事っぽくなっちゃうな、出張好きなんだよね。結局仕事が好きなんだろうね。あとは車の試乗とか、行くと面白いんだよね。
なるほど…次はこのバーっと出してもらったのを、ここから「仕事」と「プライベート」に分けていってもらえますか?
真ん中が多いな、やっぱり。
そうですね、真ん中が埋まってきましたね。
「空気・距離感を合わせること」を大事に
いつも私が気になったものから聞いてるんですけど、今回ちょっと多過ぎて…(笑)ありがたいことなんですけど、ここ(真ん中)が多いから…
自分で仕事してるから多分こうなるんだと思うよ。プライベートと仕事って完全に分かれてはいないから。
ここら辺(社長への提案、マーケティング×デザイン)はイメージあるんですけど、ロゴデザインとかってあんまりイメージなかったですね。
見せたことないもんね、自分の会社のやつとかは自分で作ってるけど。名刺も作ってるし。
この子(女の子のキャラクター)はずっといますよね、よく見ます。
この子はこういう感じで、ってプロデュースして作ってもらって。今これの事業やってるんだけど、元々は会社のマスコットキャラクターみたいなの作りたいなと思って。それで80年っぽいキャラが作りたかったんで、これとこれの要素を足したのを書いて欲しいって。色々な人に見せてたら結構評判が良かったんで、服にして海外の人にアピールしようとかやって。そしたら結構人気が出てきて、コロナの前までは色々やっててコロナになってからちょっと止めてたんだけど、またNFTの方で事業をやり始めてって感じで。だからこれは結構重要なポジションにいってる感じだけど、元々はやる気なかったんだよね。
最初は、ただただ会社のキャラクターを作ろうって思ってたってことですね。
そうそう、絵を買うぐらいの感じで。師岡さんっていうイラストレーターの人の絵が好きで一方的に知ってて、師岡さんに頼もうと思ったんだよね。いきなり連絡とって、結構長文のメールを送ったら会いましょうってなって、それで会ってやりたいことをバーっと喋って。それ以来3年くらいの付き合いかな。月に一回くらい飯食いに行ったりとか仲良くなって。
クライアントとのやり取りもそうですけど、回数を重ねて信頼してもらうっていうのが多いですよね。
そうだね、それはめっちゃある。元々は意識してなかったけど、距離感は結構大事にしてるかも。レスが遅い人にはレスをあんまり早くしないとか、その辺の距離感大事にしてたり、仕事とかで「まだですか」って言うのも一回踏みとどまったり。もう1・2日待ってみようってすると向こうから連絡来たりするから、空気を合わせに行くっていうか、その辺は結構大事にしてるかもしれない。連絡もLINEがいいか電話がいいか、人によって変えるようにしてる。
すごいですけど、なんか大変…大変そうですね。
最近は大変と思わなくなってるかも。でも元々資質があったのかもしれないね。大学生の時に、友達にコミュニケーションが上手いとか言われてたんだけど、その時に、「こういう風に話したらこの人はこう返事が来るだろうから、その返事に対してAかBか答える」みたいなところまで想像して喋ってるっていうのをよく話してた。だからそういう資質はあるのかもしれない。
幼少期から自分が勝負できる土俵を探して
素質の話に関連してなんですけど、小さい頃ってどんな子供だったんですか?
家に全然いなくて、休みは友達誰か捕まえて必ず遊びに行ってたね。だから本とか全く読んでなくて、大学生くらいまででトータルで読んだ本の数一桁くらいだと思うし、漫画とかゲームもそんなにしなくて友達とファミレス行って喋る、みたいな。喋るだけで5時間とか経ってて。
5時間はすごいですね…
名古屋だから学校の近くのコメダ行ったり、部活終わりに栄に行ってパルコにずっといるとか。服すきだから一通り回ってジェラート屋さんでジェラート食って10時くらいに家に帰る、みたいな。
10時って結構遅いですけど何も言われなかったってことは、割と放任主義だったんですかね。だから、付箋に書いてくれたみたいに興味の幅が広いのかもしれませんね。
あ〜それはそうだと思う。小学校の時に野球やってたけど、野球ってやってる人多いから勝てないなと思ったの。それで中学校入った時に、みんな同じスタートで立てるのなんだろうって考えて剣道部に入って。
確かに、競技人口少なそうなの選びたいっていう気持ちは私もあったので分かりますね。私の場合は自分がどこに可能性があるのかを探したかったって感じですけど。
確かにそれもあるよね。俺はそこまで意識してなかったけど、剣道は中一から高三までやってて。途中まで適当にやってたんだけど、ある時校内の大会で勝ったんだよね。練習しなくてもできるんだ才能あるかもって思ったから、すごい練習するようになって。それでみんな練習するから強くなってチームで名古屋市で一番になって。それで剣道の推薦で高校入って3年間主将してたけど、主将って何やるのかもいまだに分からなくて、ただ名前がついてるだけみたいな。高校は公立だし練習時間も一日一時間しか取れなかったけど、それでも地区予選で優勝して県大会ベスト16くらいまでいけたから、スポーツって頭でやるんだなっていうのを実感したの覚えてるね。
勉強と一緒で量より質というところですね。確かwebの業界に入ったのも、才能あるかもってなって入られたんでしたよね?
大学の時に何もやってなかったから、単位取るためだけにいる、バイトも大したことしてなくて、働くのめっちゃ嫌いだったから。就活始まった時に友達と自己PRの添削会やろうってなったけど、何もやってないから書くことなくて、散歩がすごい好きで、20kmくらいならどこでも歩いて行きますとか、散歩について一生懸命書いてたね。あとスーツが絶対に着たくなくて私服で働けるとこを選んで、テレビがめちゃくちゃ好きだったからテレビ局だけ受けたんだけどそしたら全部落ちて。それで就活はもういいやってなって一回実家に帰って、何しようかなって考えた。ラップやろうかデザインやろうか悩んだ話ってしたっけ?
知らないですよ(笑)なんでその二択なんですか。
結構ブラックミュージックが好きで、タワレコでバイトしてた時に同僚がラッパーだったから、買ったらいい機材とか聞いて買って遊んでたんだけど、今からラップ勉強したら一緒にラッパーになれるかもしれないとちょっと思って。それか、昔絵うまかったからデザインやってみようかなって。どっちをするか迷って、デザインの方が職業にできるなっていう風に思ってデザインの方を選んだね。
なるほど、それでデザインの道に進まれたわけですね。
仕事も住まいも、紆余曲折を得て現在へ
それで卒業した後バイトしながらデジハリに行ってて、10ヶ月くらい勉強してそこから就職した。その一社目で入った会社に何年か居て、そこを辞めた後に本当は海外に留学しようとしてたのね。本場でデザインを学ばないと基礎もできないで終わると思ってて。スウェーデンって学費タダのデザイン学校とかあって、ポートフォリオとか願書とか作って出したんだけど落ちて。そうこうしてるうちに体調崩したりして留学は辞めたんだけど。
そうだったんですね、一社目は東京だったと思いますが、その時は名古屋に帰られてたんですか?
そう、名古屋に戻ってしばらく過ごしてて。その後名古屋の制作会社に面接を受けに行って、それで2年間業務委託でやってたんだけど、そこが一番デザインを勉強したところかもしれない。それまでは自分独自のルールで適当にやってて、周りにちゃんとしたデザイナーがいなかったから正しい評価もしてくれてなかったのね。ただ、その会社にいったら先輩のデザイナーとかもちゃんとしてるので、全然ダメだよってものすごく言われて反省して、頑張って上手くなったのはあるかもしれない。
家族にも世話になったし、このまま名古屋に居ようと思ってたんだけど、2年半くらいいたら刺激がないなと思って。停滞したくないっていう野心も湧いてきたから、また東京に戻ったね。
なるほど、それから今も東京で生活されているんですね。ちなみに独立されたのもその辺りの時期だったんでしょうか?
そっから起業するっていうか、またフリーランスになるって感じだね。一回フリーランスやってたけど、その時より腕も上がってたし営業しなきゃっていう気持ちがあって結構営業に回ってて。昔の先輩とかに声かけてたら案件とかぽんぽん出てきて、結構稼いでたのね。最初フリーで東京行って創業した初月は200万稼いでて、でも次の月は20万みたいな(笑)
あ〜確かにそういうのって一回だけで終わる仕事が多いですもんね。
うまく取れたらそんな感じだったけど、大体20〜40万くらいで。やっていけるなって思ったけど、子供の頃から外に出ていくのが好きなタイプだからフリーランスだと家でずっと居なきゃいけないから辛くなってきたのね。その時に知り合いに「一緒にやらない?」って言われて入ったweb制作の会社に10年いたね。そこにいる時に、提案とかも通らなくて、当たり前だけど社長じゃないと自分の思い通りにできないなって感じて。自分の思ったことをやるには自分が決済しなきゃと思って辞めたんだけど、その時はこういうことがやりたいとか、こうあるべきとかいう思想が強かったね。
私から見てて結構何がやりたいとか思想とか変わりやすいタイプだと思ったんですけど、その辺りって自分でどう思われますか?
そうだね、結構トレンディなタイプだから。でも最近はあんまり変わってないかも。理念とかミッション・ビジョンとかを自分で考え始めて、自分の中で絶対に変わらないことって何なんだろうって色々考え始めて、それを意識するようになってからは変わらないかもしれない。「仲間集め」とかは、小学校の頃からそうだったし今も変わらないんで。お金稼ぐより仲間がいっぱいいた方が、将来助かるっていう風なことはずっと意識して生きてるから、それが活動の根源なんで。SASIとそこ共通するというか、SASIの言ってることとほぼ同じことを思ってたんで、すごくいいなと思った。
「苦手」は諦めて「得意」を伸ばす生き方を
ここまで仕事の話が多かったので、もうちょっとプライベートとか趣味寄りの方で話を聞いてもいいですか?例えばこの試乗ってどういうことですか?
試乗は別にハマってるとかではないんだけど、こないだJeepのディーラーに行って。ラングラーっていう車種なんだけど、これ結構みんな乗ってるんだよね。最近資産価値っていうのをすごい気にして、リセールバリューが高い車、値崩れをなるべくしないのが良いなと思って。これは結構手頃でリセールバリューがいいやつで、次買うならこれかなって感じだけど奥さんが好きじゃないから、家族いない時しか試乗いけないなと思ってて。内緒で試乗に行ってきたね。
でもそれ買ったら家にあるじゃないですか(笑)
そうそう(笑)で、カタログ貰ってきて家にガサって置いてたら「何これ?」って聞かれて、案の定バレて。これ結構気に入ってるんだけどどう思うって聞いたら絶対やだって言われて終わったね。こういうのがそもそも好きじゃないみたい。
まぁ好みはありますからね…でも資産価値っていうのは、私も最近ちょっと気になり始めましたね。
消費活動っていうのがあんまり好きじゃなくて、400万で車買って300万で売れたら、結構乗っても100万円で買ったみたいなもんじゃん。あと安いものだと最悪なくしてもいいし、雑に扱うしっていうのが、もったいないし失礼だなと思って、最近はそういうものを買うのをやめてるね。エルメスなんて、買うのは高いけど貯金みたいなもんじゃん。だからもったいないってことにはならないし、資産になるから、そういう風に考えて生きてる方が賢いなって。
今までの話を聞いてて、結構子供の時からそういう損得というか、考えて動いてる印象は強いですね。
なんでそういうこと考えてきたんだろうね。選択をできるタイミングが多かったんかな。友達とか、損得では選ばないけど好き嫌いはハッキリしてて、昔から自分のこと自慢するやつは好きじゃなかったな。高校の時にそういうやつがいたんだけど、SNSとかでもそういう投稿ばっかりするから変わってないんだなと思って。
めちゃくちゃ同じような経験を私もつい最近しましたね。高校くらいからだと、人って本当に変わらないですよね。
同じだよね、人って結構変わらないなと思うよ。よく会社で、上司から「その性格変えたほうがいいよ」とか言われることあるじゃん?でもあれ多分できないし、それよりも良い方を伸ばしてくみたいな。悪い方はもうしょうがないと思って無視するしかないよね。俺すごい鈍臭くて、小学校の時とか忘れ物なんかめちゃくちゃするし、テストも何度見直しても一問は間違ってたり、旅行の計画とか段取りとか立てられないのよ。で、先輩からめっちゃ怒られて。そういうところで、割と最近まで塞ぎ込んでたね。基礎力みたいな感じがしてて、最近は結構割り切れるようになってるから、そういう自分も受け入れた方が良いなって。だからできないことがすごくあるけど、できないことはやらないっていうようにしてるね。そっちはそういうタイプ、こっちはこういうタイプだからって思っておこうってなったね。